原油価格0ドルやマイナスの原因や影響は?WTI先物暴落で石油王破産?

   

2020年4月21日午前4時頃、ニューヨークの取引市場で市場初となる、WTI原油価格1バレル0ドル、そしてマイナス値(マイナス1ドル)を記録しました。

これによって21日未明からネットでは大騒ぎ状態。

「世界恐慌のはじまりか」

「石油王に憧れる時代は終わった」

「これから何が起こるんだ」

とさまざまな声が飛び交う事態になっています。

原油が1バレル0円と聞くと、「ガソリンめっちゃ安くなるラッキー!」と考えてしまう人も居るかもしれませんが、事態はそう簡単ではないようです。

今回の記事では、WTIで取引されている原油の先物価格が1バレル0ドルを超え、マイナス1ドル台まで突入する事態となった原因や影響、その理由について詳しく見ていきます。


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WTI原油価格1バレル0ドルからマイナス1ドル台突入の原因や影響は?

今回の話題について、さうえささみ@石鹸で手を洗おう (@SaueSasami)さんがわかりやすいツイートで解説していますのでご紹介します。

解説内容をまとめると以下のようになります。

  • WTIというアメリカの原油価格指標がある
  • 5月現物渡しの締日が2020年4月21日だった
  • 締日に購入の権利を保有していると現物(原油)がやってくる
  • 今コロナで誰も原油使ってなくてアメリカの原油保管タンクがパンク状態
  • タンクがパンクすると洋上保管するしかないのでコストがかかるので原油は欲しくない
  • みんなが権利を押し付け合った結果、価格が暴落

詳しく見ていきます。

アメリカのニューヨークマーカンタイル取引所(NYMEX)に、アメリカのテキサスやニューヨーク地方で産出される原油購入権の先物取引市場があり、

そこの取引価格が、『WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)』という原油価格指標となっています。

WTIは単位が1バレルなので、原油1バレルあたりが0ドルという値段になったという事です。

1バレルは約159Lですので、159リットルもの原油がタダ同然、それどころかマイナス1ドルなので、原油を引き取るとお金が貰える状態になってしまったわけです。

この原因は今世界全体を揺るがしているコロナウィルス。

  • 海外の渡航制限による飛行機の減便(ジェット燃料の使用減少)
  • 外出自粛による車の利用機会減(ガソリンの使用減少)
  • タクシー利用の減少(LPGの使用減少)
  • 経済活動の縮小による電気利用料の減少(火力発電所で使う化石燃料の使用減少)

このようにコロナウイルスの影響で、誰も原油をもとにした燃料を使っていない状態が続いています。

世界中の自粛活動に影響を受け、原油が余っているわけですね。

今回の騒動は、この原油余りの状態を受けて、アメリカの原油保管タンクがパンク寸前に。タンクがパンクしたら、海の上で原油タンカーなどで管理するしかないのでこれがコストが掛かるために、権利を押し付けあった結果と言われています。

決済日までに購入権を手放さないと強制的に追加の原油が届いてしまう状況のため、5月の現物渡しの締日当日に急いで原油の購入権を手放すため、大量の売り注文を出す企業が続出したという事が原因だったんですね。

もし保管所が満タンの状態で、現物の原油が届いた場合は月間2000万ドル、日本円で約22億円もの維持費が掛かる事になる計算です。

22億とは…もはや目がくらむ数字ですよね。

さうえささみ@石鹸で手を洗おう (@SaueSasami)さんの解説によると、WTIの原油価格指標はあくまでアメリカでの価格なので、現状中東諸国の石油取引価格への影響はそこまでないとのこと。

しかし、コロナ影響が世界各地へ波及していることを考えると、世界的に石油の消費量が減っていくのは間違いありません。
そうなると今後ドバイを始めとする中東の産油国の取引価格にも影響してくる可能性は低くないでしょう。

日本が使っている原油はドバイなどからの輸入が多いため、今の時点では日本への影響もそこまで無いと判断できますが、今後の暮らしへの影響には注意が必要ですね。


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WTI暴落イコール中東の産油国は破産ではない?

WTIの原油価格の暴落から、アメリカでは原油が大量に余った状況となった事が分かりましたが、ドバイやサウジアラビア、UAE諸国などには影響はそこまでないと言われています。

よって今すぐに石油王と呼ばれる人たち(産油国の王族たち)が破産したり、窮地に立たされるという事はないでしょう。

彼らは石油利権以外にも多くの資産を抱えていますので当然ですね。(不動産やプロスポーツチーム、多くの企業の経営権など)

特にドバイは石油産業だけに頼ることのないよう中東の金融取引の中心として、経済や観光で大きく発展させてきましたので、すぐにつ潰れるようなことはありえないでしょう。

ただ、もちろん今後の世界情勢や経済状況によって大きな変格が訪れる可能性もゼロではありません。

実際、Twitterでも経済影響や産油国について多くの意見が飛び交っています。

WTIの原油価格暴落で世界経済に悪影響?

WTIの原油先物価格の暴落で、世界経済にはどのような影響を与えるのでしょうか?

もちろん原油価格のみで経済が大きく変動することはありませんが、考えられる事態をいくつか想定していきたいと思います。

まず、考えられるのはオイル関連会社の倒産です。

原油からガソリンやジェット燃料へと精製している会社や、それを保管する会社、街から街へと運搬・運送する会社や、ガソリンスタンドなどの販売店も、利益が出なくなれば倒産する可能性があります。

オイル関連企業へ出資している会社も、株価の暴落によって大きなダメージを受ける事になるでしょう。

また産油国から出資を受けていた会社も影響を受ける可能性があります。

具体的には、日本企業ではソフトバンクの設立したファンド会社(ソフトバンク・ヴィジョン・ファンド)が中東からの出資を受けていますが、出資が止まると新興企業(ベンチャー企業)への支援が止まります。

そうすると新しくチャレンジしたい企業が減っていき、ITやAIを中心とした産業全体が縮小する可能性も出てきます。

また、原油が売れなくなると一番困るのは産油国として経済を潤している中東諸国。
野菜を沢山つくったのに、どこのお店も買ってくれなくなった農家と同じですね。(実際にコロナ禍でそのような事態になっている農家さんも沢山いらっしゃいます)
最大の産業が停滞するわけですから、中東としてはまさに死活問題となります。

そうなると原油以外に資源の乏しい国から、徐々に情勢が揺れていきます。
物価の高騰などで満足に生活必需品が手に入らない人も出てくるでしょうし、職を失う人も出てきます。
そして石油減産によって仕事を失った国民が、お金欲しさにテロリストグループへ傭兵として参加する、という事も考えられます。

テログループの勢力が拡大すると、その活動は世界中で活発に...というシナリオも想定しなければなりません。

今や水より安くなってしまった原油

今後どのように推移していくのか注意していく必要がありますね。

逆オイルショックが起こるとの声も

ネットでは今後『逆オイルショック』が起こるのでないかとの声もあがっていました。

トイレットペーパーをスーパーに売りにいくような事態が起こると風刺している人が多数いますね。

本当の原因は世界の原油価格を牛耳る3者の経済戦争だった?

一部報道によると今回の原油価格崩壊は、世界の原油価格を牛耳る3者間の軋轢によって生じたとも言われています。

その3者というのが、

  • サウジやイラク、UAEといった原油産出国で構成されるOPEC
  • ロシアやメキシコといったOPEC以外の原油産出国で構成されるOPEC非加盟国
  • シェールオイル・シェールガスといった新世代エネルギーで台頭するアメリカ

です。それぞれに利害の対立した構造の3者ですが、三つ巴の原油価格戦争が行われており、コロナの影響に端を発して、今回WTI取引価格暴落につながったのではないかと目されています。


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